2025.03.01
今月の星空紹介
札幌 2025年3~4月の星空


まずは真上あたりに7つの星でひしゃくの形、「北斗七星」を見つけましょう。ひしゃくの柄のカーブを伸ばしていくと2つの1等星が見つかります。「北斗七星」からオレンジ色のアークトゥルス、青白いスピカをたどっていくこの大きなカーブが「春の大曲線」です。スピカからさらにカーブを伸ばしていくと、からす座も見つかります。少し形の崩れた四角形の星並びが目印です。南の空が開けた場所で探してみましょう。
【星図のように見える時刻】
3月1日・・・23時ごろ
4月1日・・・21時ごろ
※惑星の位置は変化するため、4/1の位置を示しています。
【月のかたち】
満月・・・3月14日、4月13日
下弦・・・3月22日、4月21日
新月・・・3月29日、4月28日
上弦・・・3月7日、4月5日
星座のおはなし
【かに座のおはなし】
かに座は誕生日星座として有名ですが、その歴史は古く、約5000年前からすでに知られていました。ギリシャ神話では、英雄ヘルクレスが怪物ヒュドラの退治に出かけた時、ヒュドラの味方をしてヘルクレスの足をはさもうとした「お化けがに」として描かれます。たちまちに踏みつぶされてしまったお化けがにでしたが、その健闘をたたえられ、星座となったのです。
【みつけかた】
かに座は目立つ明るい星が少なく、見つけるのは難しい星座ですが、2025年4月ごろは、かに座の近くに火星が位置しています。惑星は位置が変化してしまいますが、今なら赤く輝く火星を目印にするのがオススメです。しし座のレグルス、ふたご座のカストルとポルックスを見つけて、その間くらいを探すのも良いですね。
3月…南の空 21時ごろ
4月…南西の空 21時ごろ

旬の話題
【月で女子会!?】
みなさんは「食」と聞いて何を想像するでしょうか。グルメの方だとごちそうが頭に思い浮かぶかもしれませんね。天文学ではある星に他の星が重なって隠されることを言います。「日食」は太陽が月に、「月食」は月が地球の影に隠される現象として有名ですね。
3月5日は22時ごろから24時ごろにかけて西の空で「プレアデス星団食」が起こります。おうし座の背中にあるプレアデス星団の前を月が通過します。この星団は日本で「すばる」として有名です。ギリシャ神話では、狩人のオリオンがプレアデス7人姉妹に恋をして追いかけまわしたため、天から見ていたゼウスが彼女たちを助けるために星にして夜空に上げたとされています。おうし座はゼウスが変身した牡牛です。オリオンの前で守っているようにも見えますね。日本で月といえば竹取物語でかぐや姫が帰っていった星。月のかぐや姫がプレアデス7人姉妹を訪れ、東西のお姫様の女子会(!?)なんて想像すると楽しいですね。

【金星の見かけの明るさのひみつ】
金星は朝方東側の空や夕方西側の空に時期を変えて明るく輝いて見えます。その明るさは、地球から金星までの距離(金星の見かけの大きさ)や金星の満ち欠けの程度などが複雑に関わることで変化します。一番明るく(最大光度に)なるのは太陽から約40度離れたとき、内合の前後36日ごろのタイミングで、最大で太陽や月に次ぐ-4.9等級で輝きます。2025年4月以降の明け方は東の空にぜひご注目を。

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