2023.02.23
今月の星空紹介
札幌 2023年3~5月の星空
空のてっぺん付近を探すと、北斗七星が輝いています。北斗七星はおおぐま座の尻尾にあたり、尻尾のカーブに沿って線を伸ばしていくと一等星のアークトゥルスとスピカが見つかります。この2つに加え、しし座のデネボラを結ぶと「春の大三角」になります。
日没後、約2時間は西の空を見ると明るく輝く星を見つけることができます。これは惑星の「金星」で、日没後に見える金星のことを「宵の明星」と呼びます。
【星図のように見える時刻】
3月15日・・・23時ごろ
4月15日・・・21時ごろ
5月15日・・・19時ごろ
※ 惑星の位置は変化するため、4月15日の位置を示しています。
【月のかたち】
満月・・・3月7日、4月6日、5月6日
下弦・・・3月15日、4月13日、5月12日
新月・・・3月22日、4月20日、5月20日
上弦・・・3月29日、4月28日、5月28日
星を見よう!
【金星】
これからの時期、金星が夕方に西の空で明るく輝きます。金星は真夜中には見ることができない星です。明け方に見られるときには「明けの明星」、夕方に見られるときには「宵の明星」とも呼ばれます。
-4等級以上と周りのどの星よりも明るく輝くので見つけやすいでしょう。金星が見やすい時間は3月は19時ごろ、4月は20時ごろ、5月は20時30分ごろがおすすめです。
3月2日には木星と、3月24日・4月23日・5月23日には月と大接近する様子も見ることができます。共演を楽しみたいですね。
星座のおはなし
【おとめ座】
おとめ座のモデルとなった女神には様々な説があります。おとめ座が夜に見えるようになるころには春が近づき、草木が芽吹き始めることから豊穣の女神デメテルとして語られることが多いでしょう。
1年のうち、デメテルの娘ペルセポネが冥界に行っている3か月間は、デメテルが悲しんで洞窟に閉じこもってしまうため、草木が枯れて冬になるといわれています。
【みつけかた】
おとめ座は全天で2番目に大きい星座で、北の空で輝く北斗七星から春の大曲線を結んだ先で見つけられる星、スピカが目印です。スピカはギリシャ語で「麦の穂先」という意味を持つ星です。
3月・・・東の空 21時ごろ
4月・・・南東の空 21時ごろ
5月・・・南の空 21時ごろ
旬の話題
【春の夜空は『宇宙の覗き窓』】
普段、私たちが目にする夜空の星はそのほとんどが銀河系の星です。銀河系には数千億個の星が渦を巻くようにして円盤の形に集まっています。円盤の中に位置する太陽系から宇宙を見たとき、円盤を横から見る方向は星がより多く重なっているので、夜空をぐるっと一周するもやもやとした川のように見えます。これが天の川です。
銀河系よりも外の宇宙には無数の銀河があちこちにあります。右の図のように、円盤を横から見る方向、つまり夏や冬は見える星が多くなりますが、春や秋は見える星があまり多くありません。そのため、銀河系の外の様々な銀河を見通すことができます。特に春の夜空は多くの銀河が見られるため、『宇宙の覗き窓』ともいわれるのです。
銀河の形は星の集まり方や向いている角度によってまったく異なり、とてもユニークです。双眼鏡や望遠鏡を使って、この春の季節だからこそのお気に入りの銀河をぜひ探してみてくださいね。
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