札幌市青少年科学館が生まれてから37年。
ぼくらの世界はどれだけ進歩しているのだろうか。
科学館の開館記念日に「これからの世界のために、科学と科学技術について考えてみよう」をテーマに、講演会の他、地球科学の体験イベント「ジオ・フェスティバル」、海のクイズ大会など、地球全体のことを学ぶ総合的イベント「スペシャルサイエンスデー」を開催しました。
人工衛星の開発に携わる北海道大学大学院の高橋幸弘教授をお招きした講演会では、地球観測の最新技術が紹介されました。
高橋先生が手掛けた衛星搭載観測装置は、それまでは観測できなかった地表の詳細な色を観測し、地上に生えている植物の種類や生育状況まで推測できるんだそうです。
例えば、畑の農作物の病気をチェックしたり農薬をまいたりするには歩いて畑に行って生育状況を確認することが必要ですが、この技術を使えば遠くの畑の状況をパソコンで確認することができます。そうすると広大な畑を全て見て歩かなくても、問題のある畑だけに行けばいいので効率的に対応することができるようになります。
農業以外にも漁業や工業など、私たちの生活に幅広く役立てることもできる地球観測技術は、世界中で注目されています。
現在、北海道大学を中心にフィリピン、ベトナムなどのアジアのネットワークが生まれ、お互いに協力しあいながら、地球全体のことを把握しようと動いているいんだとか。
高橋先生のお話に、小学生から70代のシニアまで幅広い人が参加し、熱心に聴講していました。
続いては。
地形や地質を実験・体験で学ぶ「ジオ・フェスティバル」!
地球科学の研究機関・団体20団体が出展し、大盛況でした。
岩石標本に触れたり液状化現象や地滑りの実験をしたり、参加者は体験を通して地球について学びました。
陸だけではなく海のことも学べるクイズ大会も開催。
科学館に隣接するサンピアザ水族館の飼育員がサイエンスホールに登場し、魚の生態について学ぶ○×クイズ大会に、たくさんの親子連れが参加しました。
その他にも、ドローン操作体験やデジタル宇宙シアターなどのイベントも盛りだくさんな一日でした。
さてさて。
私たちが、なぜ「これからの世界のために、科学と科学技術について考えてみよう」をテーマにしたのかというと…
私たちが住むこの地球にはさまざまな問題が山積みとなっていて、このままだと地球環境を壊し、未来には今のように暮らせなくなる可能性が高まっています。
これからの世界をよりよくするために、世界の国々が話し合って決めたのが、「SDGs(持続可能な開発目標)」です。
環境問題や貧困問題、教育問題など17の分野ごとに私たちがすべきことをまとめた目標であるSDGsを、クイズボードにして紹介しました。
現在、世界中の国や企業、さまざまな団体がこの目標を達成するために協力しています。もちろん、全国の科学館も!
皆さんもこれからの世界のために、今私たちができることを考えてみませんか。
(平成30年10月6日開催)