図のように見える時期
- 3月1日/午後10時ころ
- 3月15日/午後9時ころ
- 4月1日/午後8時ころ
- 4月15日/午後7時ころ
- ※惑星の位置は変化する (特に火星は変化が大きい) ため、4月1日の位置を示しています。
雪もようやく解け始め少しずつ春の気配が感じられる時期となりました。
春の星座は北斗七星からたどると簡単に見つけることができます。 北斗七星 を ひしゃくに見立て、 ひしゃくの持ち手のカーブを伸ばしていきます。そうすると、オレンジ色の アークトゥルス 、さらに伸ばすと白色のスピカが見つかります。この大きなカーブは春の大曲線と呼ばれ、大曲線の2つの星にしし座の デネボラ を加えてできる三角を 春の大三角 といいます。しし座は、一等星 レグルス を含む「?」マークを裏返したような星並びししの大がまを目印にすると見つけやすいでしょう。
そして、今年はそれらの星以外にも明るい2つの星が目につきます。おとめ座の スピカ のそばで黄色く輝く土星と、しし座の レグルスのそばで赤く輝く火星。 土星 と 火星 は一等星よりも明るく見えるため、札幌の街中でも十分に確認することができます。
今年、この季節はさまざまな色の星が輝き、カラフルでにぎやかな星空となります。星の色の違いも楽しんでみてください。
うみへび座
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南東から南西の空まで続く長い星座は、全ての星座の中で1番広い面積を持つうみへび座です。このうみへびは、勇者ヘルクレスが退治した9つの頭をも |
つ怪物ヒュドラの姿といわれています。 ヒュドラとヘルクレスの戦いは壮絶なものでした。ヘルクレスはこん棒を使い、次々とヒュドラの頭を打ち落としたのですが、その1つの切り口からは2つの頭が生えてきました。落としても落としても生えてくる頭に、困り果てたヘルクレスを見た従者のイオラオスは、たいまつを使って切り口を焼き、新しい頭が生えてくるのを防ぎました。こうして新しい頭を生やすことができなくなったヒュドラはついに倒されてしまったのです。 |
札幌では、うみへび座の頭が昇り始めてからしっぽの先が昇りきるまでに10時間ほどかかります。暗い星が多い星座ですが、近くにあるこいぬ座の プロキオン やしし座の レグルス から探してみましょう。
右の写真は、うみへび座の渦巻銀河M83。私たちの住む天の川銀河によく似ているといわれています。
(C) European Southern Observatory (ESO) |
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水星・金星・木星
今年の3月上旬は、 夕方西の空に 惑星をいくつも見つけることができます。
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2012年 日の入り30分後の 惑星の位置 ステラナビゲータVer.8より作成 |
水星は太陽の一番近くを回る惑星であるため、安全に見られる時期があまり長くなく、夕方や明け方に肉眼で見られるときでも空低いところになってしまいます。見るのが難しい惑星で、偉大な天文学者のコペルニクスも見たことがなかったと言われているほどです。
そんな 水星が、3月1日~10日に見ごろの時期を迎えます。3月5日に一番高くなり、明るさは-0.3等となります。今年は6月下旬にも見られるチャンスがありますが、この機会に見ておくと良いでしょう。西の空の低いところで輝きますので、西の空が開けた場所を選んでください。双眼鏡を用意しておくと、より見つけやすくなります。
水星より空高いところには、金星と木星を見つけることができます。 金星と 木星の間の距離は毎日少しずつ近づいていき、3月14日に最も近くなります( 金星:-4.3等、木星:-2.1等、間の距離:3°)。非常に明るい2つの星が並んで輝く様子は、一際目を引くことでしょう。
その後、金星と 木星の間の距離は大きくなっていきますが、3月26日には 金星と 木星の間に細い月がやってきます。日の入り後、まだ空が少し明るい中でも明るく輝く 金星・ 木星、その間に月が見えている様子は、さぞかし美しい光景に違いありません。
天気が良ければ、ぜひ夕方 西の空にご注目ください。