札幌 2011年9月・10月の星空

図のように見える時期

  • 9月1日/午後10時ころ
  • 9月15日/午後9時ころ
  • 10月1日/午後8時ころ
  • 10月15日/午後7時ころ
  •  

 

 北海道の夏は 足早に過ぎ去り、9月に入ると朝夕は急に気温が下がります。 さらに10月ともなると 日中でも肌寒さを感じるようになります。

 秋の夜空は 1年を通して明るく目立つ星が最も少なく、季節同様に 少し淋しい感じの空と言えます。 星座を形作る星々も 暗めのものが多いため、街中で星座を辿るのは 大変かもしれません。 そんな秋の星座を辿る格好の目印が、秋の四辺形です。1等星はありませんが、以外と簡単に 見つけることができます。 この秋の四辺形に描かれるのは 天空を駆ける馬、ペガスス座です。 秋の四辺形の左上、2等星アルフェラッツから 弓なりに伸びる星並びは、 古代エチオピアのお姫さま アンドロメダ座です。 秋の夜空には、このアンドロメダ座をはじめとする 星座6つが つながってできる1つの物語があります。 明るい星が少ない秋の夜空ですが、そこには煌く星座の物語が 展開されています。

 秋の四辺形の右辺(西側)の2つの星を つないで南へ下ってゆくと、地平線近くに1つ 明るい星みなみのうお座フォーマルハウトを見つけることができます。「南の一つ星」としても知られるこの星は、秋の星座で 唯一の1等星です。

 カシオペヤ座

秋の夜空、昔からアルファベットの"W"の星並びとして有名なのが カシオペヤ座です。 春の星座おおぐま座北斗七星とともに 北極星を探す目印としても知られています。 

 神話ではこのカシオペヤは、古代エチオピアのお姫様 アンドロメダの母親、つまりカシオペヤ王妃ということになっています。 アンドロメダは 両手を鎖でつながれた姿で星座になっていますが、この原因を作ったのが 母親のカシオペヤです。 さて、一体 何があったというのでしょうか。秋の夜空に繰り広げられる星座物語を この時期 是非プラネタリウムでお聞きください。

 

<上 写真> カシオペヤ座の超新星 NS1572(ティコの星)

 NASA and The Hubble Heritage Team(STScl/AURA)・Hubble Space WFPC2・STScl-PRC00-25

 

 中秋の名月

 秋といえばお月見です。 では、なぜお月見は 秋の行事なのでしょうか。

 それは、の高さが ちょうどいいからです。 同じでも、季節によって 空での高さが変わります。夏には低く、冬には高くなります。 春と秋は その間の高さになり、見上げるのに ちょうどよい高さなのです。 また、春と秋が同じ高さなので、どちらが良いのかと 疑問に思う方も いらっしゃるかもしれませんが、 春は「春がすみ」言われるように、春の季節には かすみが立ち、遠くの景色が見えにくくなります。 そのため、秋の方が空気が澄んでいるので お月見に良いとされたといわれています。

 ちなみに今年の中秋の名月は、9月12日です。

 科学館のプラネタリウム 9月のミニテーマは 「月明かりの夜に」ですので、 ぜひ プラネタリウムも見にいらして下さい。

 

 見ごろの惑星

 9・10月は、注目しておきたい惑星がいくつもあって、楽しみが増えそうです。

 今年の秋は、ひときわ明るく輝く 木星が見ごろになります。

 木星は地球のように 太陽のまわりを回っています。 木星の方が 外側をゆっくりと回っているので、ほぼ1年ごとに 内側の地球に追い抜かれていきます。 地球が木星を追い抜く時は、ちょうど地球から見て 木星が太陽の反対側にあります。 このことをといいますが、10月29日は、木星おひつじ座をむかえます。 その明るさは‐2.9等と、好条件でお目にかかれます。 いよいよ秋も深まり、木星観測のシーズン入りとなります。

 また、夜明け前になると、9月3日に西方最大離角(図1)になる 水星が見やすくなります。 夜明け前の東の空では、今年の中で最も好条件の 水星を見ることができます。 おすすめは、9月3日の前後 数日間です。ただし、見えるとはいっても ずいぶん空低いところ (地平線から こぶし1コ分くらいの 高さ)ですので、東の方角の空が開けた場所を 選んでください。 時間は、午前4時 前後がいいでしょうか。

 

 うお座の西の魚の近くには 天王星が見えていて、 9月26日に(ちょうど地球から見て天王星が 太陽の反対側にある状態)となり、5.6等の明るさとなります。 海王星は、みずがめ座やぎ座の境界のあたりにあります。 ただし、暗いので 双眼鏡や望遠鏡などを使わないと見られません(図2)。

ステラナビゲータVer.8 より作成

 

 火星は、9月前半には ふたご座のところにありますが、 10月1日には かに座プレセぺ星団(M44)のそばに移動してきます(図3)。

ステラナビゲータVer.8 より作成

 

 

 

 



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