感覚器から受けた情報は、脳へ伝えられ処理されます。では、情報のルートはどうなっているのでしょうか。寒い部屋に入ったときを考えてみましょう。
部屋に入ると、寒さ(冷たさ)を皮膚が感じ、その情報が感覚神経を通って脊髄に入り、脳へと伝わります。脳では、この情報をすばやく処理し、「ストーブをつけろ」という命令を出します。この命令は、脊髄から運動神経を通って指の筋肉に伝わり、ストーブのスイッチを入れるのです。
ところが、情報が脳を通っていると、時間がかかりすぎる場合があります。どんな場合でしょうか。
みなさんはヤカンなど熱いものに手を触れるとパッと手をひっこめますね。これは、脳の命令で行う動作ではないのです。皮膚が受けた強い刺激は情報として感覚神経を通って脊髄に入りますが、ここから脳に情報を伝える過程を省略し、直接、運動神経に命令を伝えるため瞬時に手がひっこむのです。
このように、脊髄で情報が折り返されることを反射と言います。
反射に要する時間は0.1秒以下と言われています。(手をひっこめた後、熱いとか痛いとか感じるのは、情報を神経に送った後、脳にも送られるからです。)
反射は、身の危険をすばやく避けるための反応だったのです。
《スポーツの得意な人って、どんな人?》
みなさんのまわりにはスポーツの得意な人がいませんか。なぜ、得意な人と苦手な人がいるのでしょうか。この差は、筋肉よりも神経の太さの違いによるところが大きいのです。運動の命令を筋肉に伝える場合、運動神経が太いほど、筋肉に命令を速く伝えることができます。
そのため、神経が太い人は反応が速いのですが、細い人は反応が遅く鈍いため、スポーツが苦手なのです。
年をとっていくと運動神経もだんだん細くなり、反応が鈍くなってきます。