風邪をひいたとき、鼻がつまって、においがわからなくなることがありますね。ふだん気にすることはありませんが、ヒトはいつも鼻でにおいを嗅いでいるのです。この、鼻でにおいを感じることを「嗅覚」といいます。
においのもとになっているのは、空気中にあるいろいろな物質です。それが空気と一緒に鼻に吸い込まれ、嗅上皮にぶつかり嗅球でにおいとして感じられるのです。
においをよく感じるためには、嗅上皮にたくさんの空気をぶつける必要があります。
ヒトは数千種類のにおいを嗅ぎ分けるといわれています。しかし同じにおいが続くと、そのにおいを感じにくくなります。たとえばトイレに行くと、最初はくさく感じたとしても、やがてそれに慣れ、それほど気にならなくなります。
犬はヒトに比べ多くのにおいを嗅ぎ分けることができますが、大昔のヒトも、今よりは多くのにおいを嗅ぎ分けることができたのです。しかし、外敵が少なくなり、今のような生活になるにしたがって、だんだん退化していったと言われています。