私たちはどうして呼吸をするのでしょうか。
みなさんは、酸素がないと燃えているロウソクの火が消えることや、物が燃えたあとに二酸化炭素が出てくることを知っていますね。
私たちのからだは、食べ物などの栄養を酸素で燃やし、エネルギーを取り出しています。ですから、二酸化炭素が出てくるのです。
つまり、生きていくために必要なエネルギーを取り出すために酸素を取り入れ、燃えかすとなった二酸化炭素をはき出すために呼吸をするのです。
私たちは1回の呼吸で400〜500mリットルの空気を吸い、1日に約3万回も呼吸をしています。また、運動をすると酸素を使う量が多くなるので、呼吸の回数はもっと多くなります。
口や鼻から入った空気は、気管を通って肺に入りますが、このとき肺の中では、一瞬のうちに空気の中の酸素を血液の中に取り入れ、いらなくなった二酸化炭素を出しています。
肺の中には、数の子1粒よりも小さな肺胞と呼ばれる袋が数億個もついていて、これを広げると畳30枚ぐらいの広さになります。
肺胞の表面にはこまかな血管がはりめぐらされていて、肺の中に入ってきた空気とふれやすくなっています。
肺には筋肉がないので、自らふくらんだり、縮んだりすることはできません。
では、どうやって息を吸ったり、吐いたりしているのでしょう。
この秘密は、肺にあるのではなく、肺を包んでいる胸腔や横隔膜にあります。
胸腔は、ろっ骨とその間をつなぐ筋肉に囲まれた肺を包むケースのようなもので、底には横隔膜のふたがしてあります。
横隔膜が縮んで下がると、胸腔がふくらみ、肺の中に空気が入って息を吸うことができます。
反対に横隔膜が伸びて上がると胸腔はしぼみ、肺の中の空気が出て息を吐くことができます。
横隔膜がケイレンを起こして、伸び縮みを繰り返すとシャックリになります。シャックリの世界記録は、なんと約8年間も続いたそうです。
《どうしてイビキがでるの?》
イビキの音が出るもとは、のどの奥にぶらさがっているノドチンコにあります(正しくは口蓋垂といいます)。
起きている時は何でもありませんが、疲れている時や大人の人がお酒を飲んだ後に眠ると、ノドチンコが緩んで空気の通路にふたをする格好になります。
このとき呼吸をすると、ノドチンコが震えてイビキになるのです。
疲れた時以外に、鼻が詰まって口から息をしてもイビキは出やすくなります。
イビキを止めるには、ノドチンコの位置をずらすことが一番なので、寝ている人の頭の向きや高さを変えると良いのです。