レーダーは、第2次大戦中に発達した技術で、1954年に日本で最初の気象レーダーが活動を始めました。
この気象レーダーによる観測のかんたんなしくみを説明します。レーダーから、電波を発射し、それが雨滴や雲によって反射してもどってくるのを受けます。電波の往復時間で距離を表し、雨の降っている地域(雨域)を、ブラウン管にテレビの映像のように映すのです。電波の反射の程度は、電波の波長、水滴の大きさや集まり方などによってちがってきます。ふつう、3-10cm程度の波長の電波では、雨滴以上の大きさのものに反射するので、雨域が観測できるのです。
しかし、レーダーには雨域だけが映るのではありません。電波が当たって反射するものは全部映るので、山や建物なども映ります。
ところが、実際の天気予報には、雨域だけが必要になるので、地形や建物からの反射はじゃまになります。最近では、この地形などの影響を自動的に消してしまい、雨域だけが表示される方法ができました。
札幌市では、これらのデータを使い降雪予測を行っています。予測結果は、市内各所に設置されているロードヒーティングの自動制御や、除雪車の出動判断などに利用されています。
《道内の気象レーダー》
気象庁では、札幌(小樽市)、函館(七飯町)、釧路(釧路町)の3ヶ所にあります。この他に航空機の安全運航を目的として、新千歳空港(千歳市)にもレーダーを設置しています。
気象庁以外では、北海道開発局や北海道大学がレーダーを保有しています。
※当別町にあった札幌市のレーダーは、廃止されました。