札幌の地下鉄には、いろいろなメカニズムが採用されています。
なかでも、日本で最初にゴムタイヤが使われたことは有名ですね。
他にもたくさんあるので、調べてみましょう。
(1)車輪(タイヤ)
札幌の地下鉄には、タイヤが2種類付いています。
1つは走行輪といい、進むためのものです。もう1つは案内輪といいます。
ともにゴムタイヤを使用しているため、乗り心地が良く、騒音や振動も鉄の車輪に比べるとはるかに少なくなっています。
(2)軌条(レール)
ゴムのタイヤが付いているため、普通の電車のように、レールの上を走ることができません。
このため、1本のレールを2つの案内輪で両側から押し付けて、レールのとおりに走るようにしたのです。
このような方式を案内軌条方式といい、走行輪と案内輪にゴムタイヤを使ったのが世界で最初だったため、「札幌方式」と呼ばれています。
(3)パンク検出装置
ゴムタイヤの車輪を使用しているため、空気(窒素ガス)が抜けたり、パンクすることが考えられます。万一そのような状態になっても事故にならないように、いろいろ工夫してあります。
1つは、パンク検出装置といって、タイヤが通過する路面に数ヵ所設置され、異常があれば自動的に通報されるしくみになっています。
パンク検出装置のしくみゴムタイヤのパンク状態を検知するため、走行路の一部にロードセルを設置しています。ゴムタイヤがロードセルにのった時、左右輪の荷重を電気的に計測・比較し、タイヤのパンクを検知します。
2つめは補助輪といって、タイヤがパンクしたときに使われます。これは、金属でできており、時速35km以下で走ることができる車輪です。
ただし、この補助輪は南北線の車両には付いていません。
南北線の車両にはタイヤが2本ずつついているため、1本がパンクしても、走ることができるからです。
(4)自動回送運転システム
東西線ひばりが丘駅の専用ホームと東車両基地の間を、無人で運転するシステムです。
全てコンピュータで制御するため、安全で効率的に列車の出し入れができます。
(5)自動改札機
自動改札機は、1971(昭和46)年に札幌の地下鉄が開業するまで、大阪の阪急電鉄(それもたった1駅)にしかありませんでした。
札幌の地下鉄全駅に自動改札機がついたことは、当時としては画期的なことだったのです。
切符や定期券の裏には、黒や茶色の磁気記憶シートが貼ってあり、料金・日付・駅名等の情報が入っています。これをテープレコーダーのような方法で読み取っています。
磁気の情報なので、強力な磁石や磁気の強いテレビ、スピーカー等のそばに置いておくと、情報がこわれるため使えなくなることがあります。