小さな力を大きい力に変える方法を考えてみましょう。
ショベルカーやフォークリフトが大きな力を出すしくみは、
(1) 小さなシリンダーのピストンを、小さな力で押す。
(2) 押された油は、大きなシリンダーへ流れる。
(3) 流れた油は大きなピストンを押し上げ、重い物を持ち上げる。
小さなピストンを、小さな力でおすと、大きなピストンでは、大きな力になっているのです。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
水を入れたビニール袋で考えてみましょう。
水がびっしり入ったビニール袋のまわりに、たくさん穴をあけて手で押してみました。すると、水は、どの穴からも同じ勢いで出てきます。水のような液体をとじこめて、どこか一部に力をかけると、その力は入れ物のすべての場所に同じ大きさではたらきます。このような性質をパスカルの原理といいます。
このように小さな力で、大きな物を持ち上げるしくみは、いろいろなところで利用されています。
《パスカル》
(1623〜1662)フランスの哲学者、数学者、物理学者。液体の圧力に関するパスカルの原理を発見し、数学ではパスカルの三角形などすぐれた論文を残した。