みなさんは、かべにボールをぶつけて遊んだことがありますか。ボールはかべに当たったとたんに、はね返りますね。
では、岸壁に波がななめに当たるとどうなるでしょう。
波も岸壁に当たると、はね返されてしまいます。これを波の反射とよんでいます。
岸壁に当たる波の角度によって、反射の方向は決まりますが、ボールをぶつけた時と同じように、いつでも当たる角度とはね返る角度は等しくなります。
《まがる波—波の屈折》
遠浅の海岸に押し寄せる波は、風の向きに関係なくいつでも海岸線に平行になってしまうのはなぜでしょうか。
これは、“浅い場所では波の速さは遅くなる”という波のもっている性質と大きな関係があるのです。
海岸に対して斜めの角度でやって来た波は、浅いところにくると速さが遅くなってしまいます。そのために、進む方向が変わってしまうのです。これを波の屈折といいます。
波が海岸線に平行になるのは、このためです。
波の屈折は、A君とB君が長い棒の両はしを持ちながら、アスファルトの道を走っている場面によくにています。
きれいにほそうされた道を走っている途中で、急に足場の悪いぬかるんだ道に出てしまったらどうなるでしょう。
先にぬかるんだ道に入ってしまったA君は、走る速さが遅くなります。しかし、もう一方のはしを持つB君は、初めと同じ速さで走っていますから、棒の向き(進む方向)は変わってしまうのです。
《回り込む波—波の回折》
海の中にそびえる大きな岩に波が当たると、波はその岩かげに回りこんで進んで行きます。
また、港の防波堤に向かって進んできた波は、港の入り口(防波堤のすき間)を通りぬけ、そこを中心にして港の内側に広がっていきます。
このように、波は障害物のかげになるところも回りこんで、はじめに進んでいた方向とはちがう方向に伝わっていく性質を持っています。これを波の回折といいます。
《重なり合う波—波の干渉》
では、港の入り口が2か所ある場合はどうでしょう。防波堤に向かって沖から進んできた波は、そのすき間を通りぬけ、そこを中心にしてそれぞれ港の内側に広がっていきます。
このとき2つの中心から広がる波は、おたがいに重なり合い、あるところでは強められ、あるところでは弱められて、大きく波立つ部分と波立たない部分ができます。
このように、波が重なりあうことによって別のかたちの波ができることを波の干渉といます。