テレビ放送の電波は波長が短い(周波数が高い)ため、直進性が強く、障害物があると電波がさえぎられてしまいます。そのため、テレビ放送の中継所がたくさん必要ですし、また、山の中や離島などでは、どうしても受信ができない所ができてしまいました。
そこで登場したのが衛星放送です。人工衛星打ち上げ技術の向上にともない、宇宙からの静止衛星による衛星放送が行われるようになりました。衛星1個で日本中に電波を送ることができ、受信できない地域もなくなりました。
また、衛星放送では、地上テレビ放送より高い周波数の電波で放送しているので、ハイビョンをはじめ、より高度な放送が可能です。
衛星テレビ放送は、現在3つのチャンネルがあり、衛星ラジオ放送も行われています。
今後、ますます利用が広がることでしよう。
《衛星放送のあゆみ》
1978.4: 実験放送衛星「ゆり」打ち上げ
1984.1: 放送衛星「ゆり2号?a」打ち上げ
1984.8: 放送衛星「ゆり2号?b」打ち上げ
1987.7: NHK2チャンネルの試験放送開始
1989.6: NHK本放送開始
1989.6: NHKハイビジョンの定時実験放送開始
1990.8: 放送衛星「ゆり3号?a」打ち上げ
1990.11: 放送衛星「ゆり3号?b」打ち上げ
1991.8: 日本衛星放送(WOWOW〕放送開始
1991.11: NHKハイビジョンの試験放送開始
《電波の割り当て》
現在、私たちのまわりには、ラジオやテレビ放送、携帯電話など、無数の電波が飛び交っています。
もし、同じ周波数の電波が飛んでくると混信してしまうので、混信しないよう地域や国ごとに使うことができる電波の周波数が割り当てられています。みなさんが使っているトランシーバーやラジコンの電波も割り当てが決まっているんですよ。
最初は、低い周波数の電波から使われ始めましたが、だんだん、たくさんの情報を送らなくてはならなくなったのと、使える電波がなくなってきたことで、しだいに高い周波数の電波が使われるようになりました。これには、技術の進歩も大きく寄与しています。
しかし、今では、ほとんどの周波数の電波が使われてしまって、もう割り当てるところがないほどつまっています。
これからは、もっと通信する量がふえるので、新しい通信方法が研究されています。