外国からのテレビ中継や電話などの一部には、人工衛星を使った通信が行われています、このような通信方法を衛星通信といいます。
衛星通信は、地上からアンテナを使って人工衛星に電波を送り、人工衛星で電波を強くして(増幅)再び目的地へと送ります。
高いところから電波を送るので、山や建物などに邪魔されずに通信することができます。
通信衛星には、静止衛星と呼ばれる人工衛星が使われています。この衛星は、地上から見るとずっと止まっているように見えるのでその名がついていますが、実際には地球の自転と同じ速さで地球の周りを回っています。
静止衛星は赤道上空約36000kmのところを回っています。地球の半径が6400kmですから、どのくらい高いところを飛んでいるのかわかるでしょう。
こんなに離れて地球を回ります。地球と月の距離の1/10くらいのところです。
電波は、地上から人工衛星に向けて送られ、衛星にたどりついて再び地上に戻ってくるまで、往復で約7万6千kmもの長い旅をします。
いかに電波が光と同じ秒速30万kmの速さを誇っていても、この地上と人工衛星の距離を往復するには約0.25秒かかってしまいます。
テレビの衛星中継では、こちらが話したことが相手に伝わるまでに少し時間がかかって不自然に感じますが、原因はこの電波の遅れのためなのです。
静止衛星は、たいへん高いところにあるので地球上の見渡しが良く、たった3個の衛星を使うだけで、北極・南極付近を除いた地球全体を通信衛星で結ぶことができます。
日本の通信衛星は現在、1988年に打ち上げられた「さくら3号」が使われています。