温度を一定にしておいて、空気を押しちぢめたら、中の空気はどうなるでしょうか。
押しちぢめないとき:分子は無理なく動く空間があるので、外の空気と同じ。
押しちぢめたとき:分子の動く空間がせまくなるので、まわりにはげしくぶつかる。
このように、空気を押しちぢめればちぢめるほど、中の空気のまわりをおし返す力が大きくなるのです。
「温度が一定のとき、気体の体積が小さくなると、その分だけ、中の気体の押す力(圧力)が大きくなる。」というきまりがあります。
このきまり(ボイルの法則)を発見したのは、イギリスの物理学者、ボイルです。
(1)体積と圧力
みなさんは、これで、空気の入っている注射筒のピストンを強く押すと、もどるわけがわかるでしよう。
ピストンを押さないとき:中の空気の分子が自由に動いている。
ピストンを押したとき:空気の体積がちぢまり、分子がまわりにぶつかり、ピストンを押しもどす。
ピストンを押すと、分子の動く空間がせまくなり、中の空気の分子がはげしくまわりにぶつかります。その力によって、ピストンが押しもどされるのです。
このような、とじこめられた空気の押す力を利用したものとして、ブレーキ(空気ブレーキ)やエアクッション(空気バネ)などがあります。
また、空気でっぽうなども、この空気の押す力を利用したおもちゃです。
(2)体積と温度
気体を押しちぢめると変化するのは圧力だけでしょうか。
中の空気の熱がにげないようにして、空気を押しちぢめると、中の空気の温度はどうなるでしよう。
空気を押しちぢめると、中の空気の温度が上がります。このように、中の空気が、まわりとのやりとりをできないようにして、体積を変えると、温度が変わります。
とじこめられた空気を押しちぢめると、どうして温度が上がるのでしょう。
熱が上がるのは、圧縮という運動エネルギーが分子に加わるからです。
反対に、押しちぢめてある空気が膨張すると、中の空気の温度はどうなるのか、予想できますね。
このような現象は、空気だけでなく酸素や二酸化炭素などいろいろな気体にもおこります。
気体のこのような性質を利用した物が、みなさんの身のまわりにあります。
冷ぞう庫は、その一つです。
冷ぞう庫はどのようにして、温度を下げているのでしょうか。
・フロンという気体を圧しゅくする→
・温度の上がったフロンの熱をにがす→
・室温になったフロンを膨張させるので、温度が下がる(これをくり返す)
※フロンは、オゾン層をこわさないタイプのものが使われています。
これで、冷ぞう庫のしくみがわかったでしょう。