空をながめると、いろいろなようすの雲が見られます。これらの雲は、どういう時にできるのでしょうか。いっしょに考えていきましょう。
空気中には、水蒸気(水分)が、含まれています。夏、冷たいジュースの入ったコップが、しばらくすると外側がくもり、やがて水滴がたくさんついていくのを見たことがあるでしょう。この水滴は、空気中に含まれている水蒸気なのです。ふだんは目に見えない水蒸気も、水滴に姿を変えると見えるようになり、空気中に含まれていることを、私たちに知らせてくれるのです。
空気中に含まれる水蒸気量には限度があり、これを飽和水蒸気量といいます。この量は、気温によってちがい、高温の時ほど大きいのです。
《飽和水蒸気量》
空気1m3のなかに、水蒸気を何グラム含むことができるかということを表している。単位は、g/m3と書き、グラム毎立方メートルとかグラムパー立方メートルと読む。
気温による飽和水蒸気量の違い
- 気温0℃のとき—4.8g/m3
- 気温10℃のとき—9.4g/m3
- 気温20℃のとき—17.3g/m3
飽和:限度まで達している状態のこと。
例え話で説明しましょう。空気1m3を部屋に、飽和水蒸気量をそのなかのイスに、実際に含まれている水蒸気量を人の数にすると、この部屋のこみぐあいが、湿度に当たるのです。
イスの数に対する人の数の割合をパーセント(百分率)で表したものが、ふだん使われている湿度です。
では、イスの数より人の数が多くなった場合は、どうなるでしょうか。当然、人はイスにすわれなくなりますから、立つ人がでてきますね。つまり、この状態が、水蒸気として空気中に含まれていられなくなり、水滴となってまわりのものにつくことなのです。この時は、湿度が100%に達しています。
・一定の空気中で、水蒸気量が変わらず気温だけが下がると、それにしたがい、飽和水蒸気量(イスの数)が下がって、ついに余った水蒸気は水滴になります。
前にお話したコップの水滴も、こういう状態でできていたのです。ところで、空の雲もこれとよく似たしくみで発生します。では、雲の正体をさぐってみましょう。
(相対)湿度(%)=その時の空気中の水蒸気量(g/m3)/その気温での飽和水蒸気量(g/m3)×100
で計算されます。気温が変わると、含まれている水蒸気量そのものは変化しなくても、湿度は変わります。含まれている水蒸気量が変わらないとすると、
- 気温:高くなる→湿度:低くなる
- 気温:低くなる→湿度:高くなる
という関係になります。
この(相対)湿度は、乾湿計で調べることができます。