あなたは、夏の夜空をながめています。
頭の真上近くに帯のように流れる天の川をはさんで、織女星とひこ星を見つけたでしょう。
目をこらしてください。
たくさんの星が見えてきましたね。
よく見ると、明るさや色、輝き方にちがいがあることに気づくでしょう。
私たちは夜空に輝いている星を二つのグループに分けています。
・太陽と同じ仲間の星
・地球、月と同じ仲間の星
太陽は自分でエネルギーを作りながら輝いています。とても明るい太陽なのですが、ひこ星と同じだけ遠ざけてみたとすると、針でついたような星になって見えます。
このように、自分から光を出している星を恒星といい、太陽は恒星のひとつなのです。
地球や月は、自分では光ってはいません。太陽の光があたったところだけが輝いて見えます。
地球のように太陽(恒星)のまわりを回っている星を惑星といいます。よいの明星、あけの明星として親しまれている金星をはじめ水星・火星・木星・土星・天王星・海王星も惑星です。(冥王星は「太陽系外縁天体」として区分されることになりました。)
月のように地球(惑星)の周りを回っている星もあります。これを衛星といいます。
衛星は地球だけにあるものではありません。調べてみると火星には2個、木星には62個、土星にも60個もあるようです。このほか、天王星・海王星にもそれぞれ27個と13個の衛星があります。
では、夜空に輝く星の中から恒星と惑星を、どのようにして見分けたらよいでしょうか。
まず、星の輝きを観察してみましょう。
星には、チカチカとまたたくように輝いている星と、ほとんどまたたかないで、おちついて光っている星が見えます。
チカチカと輝いて見えるのは、地球大気のゆらぎのせいですが、そのような星は恒星です。一方ほとんどまたたかない星は、望遠鏡で拡大すると大きく見られる惑星なのです。
しかし、これだけでは、見分けのつかいない人もいるかもしれません。
そこで、一ヶ月ぐらいたってからもう一度観察して見ることにしましょう。このくらいたつと、同じ時刻でも星座は30度ほど西よりに位置を変えますが、惑星はその「形を変えない星座」の中で「公転」により位置が変わっていることに気がつくでしょう。
また、色の違いにも気がつくかも知れませんね。青白い星から黄色やオレンジ色の星まで見つけることができるでしょう。この色は、恒星表面の温度による違いです。つまり、温度が高くなると青みが強くなり、逆に低くなると赤みが強くなります。(温度が低いといっても、3000度ほどはあります。)
ただ、人の目で色が分かるのは、1等星以上の明るい星だけで、2等星以下の暗い星では白くしか感じとれません。(双眼鏡などで星の光を多く集めてみると、あらためて色の違いが分かってきます。)