同じ振動数の2つの音叉を離して置きます。一方の音叉を鳴らすと、もう一つも鳴り始めるのがわかります。
これは、初めに鳴らした音叉の振動が空気中を伝わっていき、もう一つの音叉をゆり動かすからです。このことを共鳴といいます。
これは、空気中を伝わる音波によって起こる現象です。電波では、この共鳴という現象が起こらないのでしょうか。
ヘルツは、2つの放電球(a)の間に火花放電を起こしてみました。
すると、別に作ったすきまのある金属棒の輪(b)に、小さな火花がとぶのが見られたのです。
これは(a)でおきた振動数と(b)の振動数が同じになって、共鳴を起こしたものと考えられます、そして(a)で火花がとぶとき(b)にも火花がとぶのは、放電球から何かが出て、金属棒の輪にはたらきを起こしたからと考えられます。
放電球から発生したものを電磁波と呼んでいます。ただし、電磁波は音波とは違い空気のような媒質を必要としないため、真空中も伝わっていきます。
《ヘルツ》
(1857-1894)ハインリヒ・ルドルフ・ヘルツは、ドイツの物理学者で、マックスウェルの電磁気理論をさらに明確化し発展させた人物で、1888年に電磁波の放射の存在を、それを生成・検出する機械の構築によって初めて実証しました。
ヘルツ(記号:Hz)は、国際単位系 (SI) における周波数・振動数の単位として使われていますが、その名前は、電磁気学の分野で重要な貢献をしたハインリヒ・ルドルフ・ヘルツにちなむものです。