発光ダイオード(LED)って何?

最近では、各家庭の電球を発光ダイオードにしていることは珍しいことではありません。

LEDとは「Light Emitting Diode」の略で、日本語では発光ダイオードのことを意味します。電圧を加えると光を発する特性をもっています。発光ダイオードから放たれる色の種類はさまざまで、赤、黄、桃、青、緑、白といった各色を発光しています。

発光ダイオードが一般家庭などで使われるようになったのは2005年以降ですが、その歴史は想像以上に深く、長きに渡って研究が続けられてきました。

1962年にアメリカの研究者でもあるニック・ホロニアックが発明しました。当時は赤色発光ダイオードのみの登場でしたが、その後は日本人を含めた多くの研究者によって次々と新たな発光ダイオードが発明されていきました。

発光ダイオードはどのようにして光っているのでしょうか。

簡単に言うと、発光ダイオードは電気を直接光に変化させるという発光原理をもっています。その秘密は発光ダイオードチップの構造にあります。発光ダイオードチップには電気の(+)が動くP型半導体と(-)が動くN型半導体の2種類が使われており、これらを合わせて通電することによって(+)と(-)が衝突して接合面が発光しています。

発光ダイオードを使用するメリットは、「省エネ」です。そこで発光ダイオードがもっている特徴をいくつかご紹介します。

 

《寿命が長い》

発光ダイオードの寿命は極めて長く、製品や使い方などによっても多少の違いはあるものの、20,000~60,000時間と言われています。そのため、ランプ交換が長期間交換不要となります。

そして発光ダイオードの寿命はランプが不点灯になった瞬間ではなく、光束が一定値を下回った瞬間を基準値としています。そのため、メーカーが提示している期待寿命よりも長時間点灯し続けることが、理論上では示されています。

 

《消費電力が少ない》

私たちの生活において、欠かせないのが電気です。

各家庭において、少しでも電気代を節約させようと工夫していることも多いのではないでしょうか。発光ダイオードを使用すれば、白熱電球と比べて約6分の1、蛍光灯と比べて約2分の1など、照明にかかる消費電力を最小限に抑えることができます。

《紫外線・赤外線の放出が少ない》

発光ダイオードは、電気を直接光に変換させる仕組みとなっていることからも発熱量が少なく、赤外線や紫外線をほとんど放出しません。普段の生活で、電気を使用する上で紫外線や赤外線の量を気にする人は少ないかもしれませんが、これによってさまざまなメリットを得ることができます。

紫外線が少ないということは、生鮮食品の劣化を助長しないことや衣服の色の変色を防ぐことに繋がります。

また、熱源となっている赤外線が少ないということは、電気に直接触れて火傷する危険性も軽減するなど安全性にも優れています。

 

《青色発光ダイオードは世界を変えた?》

様々な発光ダイオードの色の中で、最初に実用化されたのは、赤色、黄緑色でした。これらはガリウムヒ素系の物質を主な材料にしており、結晶化や加工が比較的容易であったことから、早い段階で実用化されたのです。

理論上、青色や緑色の発光ダイオードは窒化ガリウム系の材料を用いることで作ることが可能であるとされていましたが、結晶化や加工の技術が確立していなかったのです。これらの技術と量産化の手法を発明したのが日本人3名です。この3人はノーベル賞を受賞しています。

青色発光ダイオードの量産が実現した後、さらなる研究開発が行われ、緑色の発光ダイオードも実用化されたのです。これで、光の三原色である赤、青、緑の発光ダイオードがそろいました。これらの色の発光ダイオードを組み合わせることで、様々な色の光を再現できるようになったのです。

光の三原色である赤、青、緑の発光ダイオードが製造可能になったことで、白色発光ダイオードも簡単に作ることができるようになりました。白色発光ダイオードが使われている製品の1つが、液晶ディスプレイです。液晶ディスプレイには、バックライトと呼ばれる光源装置が必要になるのですが、それに白色発光ダイオードが使われています。液晶ディスプレイは、コンピュータやスマートフォンの画面、車内に設置されたデジタル案内板などに使用されており、私たちの生活に不可欠なものになっています。

また、赤、青、緑の発光ダイオードを組み合わせたフルカラー発光ダイオードは、1つの素子で何千何万通りの色が再現できます。(フルカラーとは約1620万色)

この発光ダイオードは、街中にある大型ビジョンや車内の表示板、イルミネーションなどに使用されています。フルカラー発光ダイオードの誕生により、従来ではできなかった色を豊富に使った案内が可能になりました。



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