わたしたちが見ているテレビのブラウン管の映像は、映画の画面のように、ある瞬間に画面の全体が映し出されているのではなく、じつは、小さな光の点が、強く光ったり、弱く光ったりしながらブラウン管の画面上を動き、1枚の画を描きます。
もう少しくわしく説明すると、光の点は画面の左上隅からはじまって、左から右に1列動き、それを上から下へくり返して全体の画を描くのです。
このようにして画を組み立てることを走査といい、光の点の道筋を走査線といいます。
1枚の画は1/30秒で作っていますが、人間の眼には、光の点が消えても1/1O秒くらい残像として残るため、映画のようなできあがった1枚の画があるように見えるのです。
走査線の数が多いほど、きめ細かく自然の画に近いものをつくりだすことができますが、日本では、この走査線が525本あり、1秒間に30枚の画が映し出されます。
この方法は、ファクシミリが絵を送る方法に似ていますね。1枚の映像を送るには、一度に全部を送ることができないので、どうしても細かく分けて少しづつ送るしかないのです。