もえる金属によって、炎の色がちがっていますね。
実は、真夏の夜空をいろどる花火の色も、このような銅やカリウムなどの金属が燃えるときに出す色を利用しているのです。
これらの炎を光のスペクトルにしてみると、ちがいがよりはっきりとします。炎の光のスペクトルは、もえる物によっていつも決まった位置に、決まった色が出るのです。
さあ、ここで、太陽の光のスペクトルの信号解きにもどりましょう。
吸収線をつくる原子が高温になるといろいろな光を出すようになりますが、その中には冷えていたときに吸収した光と同じ光もあります。
したがって、太陽スペクトルの吸収線と、ナトリウムスペクトルのかがやいている線の位置が同じになれば、太陽の光の中にナトリウムの炎がふくまれていることになるのです。つまり、太陽の表面にはナトリウムの原子があることになるのです。
このように、太陽の光をスペクトルにし、吸収線を調べることで、そこにある原子がわかるのです。
この方法は、物質の成分(原子)を明らかにするために広く利用されています。
このように光をスペクトルにし、その特徴から、物質の成分(原子)がわかるので、どんなものから成り立っているかわからなかった物質の成分がたくさん明らかになりました。