電気コタツに手や足を近づけて見ましょう。直接さわっていないのに、手足がポカポカと暖かくなります。また、太陽の光があたると、ポカポカと暖かく感じますし、夏になると、ジリジリと暑く感ずることもあります。
私たちと電気コタツや太陽の間に、何か熱を伝える別のものがあるのでしょうか。
今、部屋の中は、まどから日光が入り、とても暖かです。では、まどガラスはどうでしょう。もちろん、このガラスも暖かくなっているはずです。
ところが、日光がさしているのにガラスは冷たいのです。この太陽の暖かさは、熱そのものが途中にある空気などをほとんど暖めないで、直接私たちを暖めるのです。この様な熱の伝わり方を熱の放射といいます。
放射熱を利用したものを紹介しましょう。
反射式のストーブです。ストーブの前の方は暖かいが、後ろはまったく暖かくありません。これも熱の放射によるためです。
また、ストーブに反射板があるのは、放射熱には光のように反射する性質があるので、後ろに行った放射熱を反射させ、前に向けるためについているのです。ストーブで部屋全体を暖めるのは、熱の対流によりますが、ストーブに向かっている方が暖かいのは、ストーブから出ている熱の放射によることになります。
ストーブの前に板などのつい立てをおくとあつさは感じられなくなります。これは板によって、放射熱がさえぎられたためです。
熱を伝える物質が、ほとんどないと言ってよい宇宙では熱は放射によって伝わります。太陽の熱が、地球に届くのもこのためです。