1783年、アイスランドのラキ噴火では、たくさんの溶岩や火山灰、火山ガスなどを噴出しました。流れ出た溶岩は14の農村を埋め、火山灰や火山ガスは農作物のほとんどをだめにしてしまいました。この噴火は、アイスランドだけでなく、世界各地に影響を与えました。火山ガスは、上層風に流されて中国のアルタ山脈にまでとどきました。また、アメリカ北東部では、気温が過去243年間の平均より、3.8〜4.8℃も低くなった月が3か月も続いたそうです。
爆発によって噴き上げられたものが大気中にあって、太陽の光をほんの少しさえぎっただけで、気温の低下・雨や雪の降り方や風の吹き方などが変化し、私たちの生活に大きな影響を与えるようです。
地球上で、私たち人間をはじめ、いろいろな生物が生きていられるのは、太陽の光のエネルギー(地球上にとどくのは、全太陽エネルギーの約22億分の1)によるといえます。私たちの祖先が太陽を「日の神」として祭っていたこともわかるような気がしますね。
太陽の光は私たちの生活とどのようにかかわっているのでしょうか。
太陽はいつも地球の半分を照らしていて、その部分は地球の昼になっています。太陽の光が当たらない影になっている部分は、夜ですね。そして、毎日規則正しく昼と夜がくり返されるのは、地球が24時間で1回自転しているからだということは、みなさんも知っているでしょう。この昼と夜のくり返しは地球上の生物の大切な生活リズムとなっています。
太陽の光のエネルギーは、地球の表面をあたためます。しかし、そのあたたまり方は、海と陸地でもちがいますし赤道付近と極地方でもちがいます。このようなちがいが、地球全体の空気の大循環や海流をつくり、様々な気象の変化をうみだす原因になっています。
みなさんは、今、呼吸をしていますね。空気中の酸素をからだの中に取り入れているわけです。その酸素は、植物が光合成で作り出したものだということは、知っている人が多いかもしれません。しかし、その植物も、太陽のエネルギーがなければ光合成はできませんし、自分自身でも栄養分を作ることができずに枯れてしまいます。
さらに、多くの動物はその植物を食べて生きており、肉食動物はそれらの草食動物を食べて生きています。このように、生物どうしは、食べる、食べられるという関係で深くつながっています。もし、太陽の光が地球に当たらずに、植物がすべて枯れてしまったら、ほかのすべての動物も先にたえてしまうことになります。
私たちが吸っている空気中の酸素や、毎日食べている食べ物は、すべて太陽の光のエネルギーがもとになっていると言っても言いすぎではありません。
地球は自転しながら、1年に1回、太陽のまわりを回っています。これを公転といいます。
地球のように太陽のまわりを公転している惑星は、ほかに7個もありますが、地球のように生物がいる惑星はまだ見つかっていません。地球には豊富な水があり、太陽の光の当たりぐあいもちょうどよく、まさに生物がすむのに適した「宇宙のオアシス」とも言えるのです。