図のように見える時期
- 9月1日/午後11時ころ
- 10月1日/午後9時ころ
- 11月1日/午後7時ころ
秋は明るく目立つ星が最も少ない季節ですので、夏の夜空と比べると少し寂しく感じるかもしれません。しかし、そんな秋の夜空には古代エチオピア王家の物語に登場する人物たちが勢ぞろいをし、彩りを与えてくれています。
まずは、南東の空高いところに目を向けてみましょう。整った大きな四角形の星並びが見つかれば、それが秋の四辺形です。ここに見つけることができるのは、翼の生えた馬ペガスス座です。そのため、秋の四辺形はペガススの四辺形とも呼ばれています。美しいお姫様の星座アンドロメダ座の星々は、四辺形の左上の星アルフェラッツから東の方へゆるやかなカーブに沿って輝いています。その足元では、勇者のペルセウス座が、南東の空低いところで牙をむく怪物くじら座に向かって剣を振りかざしています。アンドロメダ姫の北隣には、王妃の姿を見つけることができます。Wの星並びで有名なカシオペヤ座です。王様ケフェウス座はというと、そのさらに北隣、細長い五角形の星並びをしています。これらの星座は、全て一つの物語の登場人物です。
もう一つ、秋の空で注目したいのは、水に関する星座たちです。南の空低い位置に輝く明るい星は、秋の空唯一の1等星フォーマルハウトで、みなみのうお座の星です。秋の四辺形とフォーマルハウトの間にはみずがめ座を見つけることができます。みずがめ座の左右にはそれぞれやぎ座とうお座が位置していて、どれも水に関係している星座です。
夜は、体がすぐ冷えてしまいますので、暖かい服装で星空散歩をしてみてください。
いるか座
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いるか座は、わし座のアルタイルから東側に目を移していくと見つけることができます。可愛らしいひし形の星並びは、見慣れればすぐにそれと分かります。この星座にまつわる、紀元前6世紀頃に実在したギリシアの音楽家アリオンの物語が残されています。 アリオンは、音楽祭での優勝賞金をたずさえて船で帰る途中に、賞金をねらった船乗りたちに襲われてしまいます。太刀打ちできないと悟ったアリオンは、最後に一度だけ歌わせてほしいと懇願をし、たて琴を弾いて歌いました。彼の最後の歌はもうそれはそれはすばらしく、船乗りたちもついうっとりと聴き入ってしまうほどでした。歌い終わったアリオンは死ぬ覚悟をし、海に身を投げ出しました。そのまま死んでしまうと思われたアリオンでしたが、彼の歌を聴いていたイルカたちが、彼を助け岬まで運んでくれたのです。この功績により、イルカは空にあげられ星座となりました。 いるか座の絵は、本物のイルカと全く違った姿をしていますが、これはイルカを見たことがない人が描いてしまったからなのだそうです。 |
<写真> いるか座の球状星団NGC 6934 (C)NASA/STScI/WikiSky |
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中秋の名月
今年もお月見の季節がやってきました!
お月見は、旧暦の八月十五日、十五夜に行われます。今年の十五夜は、9月19日。すすきや月見だんごをお供えして、秋の美しいお月様を眺める、そんな行事です。
旧暦八月十五日は中秋と呼ばれる日です。中秋とは、秋の真ん中を意味します。旧暦でいう秋は、七、八、九月です。その真ん中の日は八月十五日となりますので、この日のお月様を中秋の名月といいます。また、収穫への感謝の気持ちを込めて芋をお供えしたことから芋名月と呼ばれることもあります。
では、なぜ秋にお月見をするのでしょう。理由は南の空に上った時の、月の高さにあります。夏の満月は空低く上り、冬の満月は空の高いところを通っていきますが、春と秋の満月は、高すぎず低すぎず、見上げるのにちょうど良い高さになります。しかし、春はかすみが立ちやすく、遠くの景色が見えにくくなるので、空気の澄んだ秋にお月見をするようになったのだそうです。
今年の十五夜は満月です。 みなさんも秋の夜長に、お月様を見上げてみてはいかがでしょう。
※月の満ち欠けを利用した旧暦では、毎年日付が10~11日早まります。約3年毎に一月分後ろにずれることになります。