みなさんは、灯油を別のタンクに移しかえたり、大きな水そうの水をとりかえたことがありませんか。どうして入れ物を傾けずに、このように移しかえることができるのでしょう。
これは、「液体を高い方から低い方へ流したとき、長い時間たつと、2つの入れ物の水面の高さが同じになる」というしくみを応用したからです。このしくみをサイフォンといいます。
「サイフォン」のしくみを、こんな装置で考えてみましょう。左右に2つの水そうがあり、水で満たされた管でつながっています。右側の水そうは、上下にゆっくり動きます。
さて、左右の水そうに入った水の高さを比べてみることにしましょう。
右側の水そうが少しずつ動いても(水そうの高さが変わっても)水面はいつも同じ高さを保ちます。右側の水そうが上下に動いても、左右の水面の高さはいつも同じ。
つまり、水が水そうの間にある管を通り、両方の水が同じ高さになろうとして、高い方から低い方へ移っていくというわけです。
サイフォンを利用すると、入れ物の底に穴をあけないで水を出すことができるので便利です。