あなたは、1000kgの重さの象を持ち上げることができますか。
「長〜いシーソーの片方に象をのせて、もう片方に自分がのる・・・。」
それでも持ち上げることができるかもしれません。でもほかにもできる方法があるのです。
『小さな力を大きい力に変える方法』を考えてみましょう。
■ ショベルカーやフォークリフトが強い力を出すのは、
(1)小さなシリンダーのピストンを、小さな力でおす。→
(2)おされた油は、大きなシリンダーへ流れる。→
(3)流れた油は大きなピストンを押し上げ、重い物を持ち上げる。
小さなピストンを、小さな力でおすと、大きなピストンでは、大きな力になっているのです。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょう。水を入れたビニール袋で確かめてみましょう。
水がびっしり入ったビニール袋のまわりに、たくさん穴をあけて手でおしてみました。すると、水は、どの穴からも同じいきおいで出てきます。
水のような液体をとじこめて、どこか一部に力をかけると、その力は入れ物のすべての場所に同じ大きさではたらきます。このような性質をパスカルの原理といいます。
これでもう、あなたは1OO0kgの象でも、持ち上げることができるのです。
このように小さな力で、大きな物を持ち上げるしくみは、ダンプカー、ショベルカーなど、いろいろなところで利用されています。
《パスカル》
(1623〜1662)フランスの哲学者、数学者、物理学者。液体の圧力に関するパスカルの原理を発見し、数学ではパスカルの三角形などすぐれた論文を残した。